2022年10月末日バングラデシュ協力工場の社長が来日。
彼がどういった想いでものつくりをしているか対談形式でお伝えします。
バングラデシュ協力工場 社長 以下 社
ーー よろしくお願いします。
社「こちらこそよろしくお願いします。」
ーー 改めて(社長の)ご経歴を教えてください。
社「バングラデシュの大学在学中、実兄が日本でビジネスをしていたので、日本に留学しました。
留学中に社会問題をビジネスで解決する会社に入り、バングラデシュで何か自分が役に立つことはないかと考え、支援もあって起業したんです。
社会的弱者、一般に雇用が難しい人を雇用。仕事をつくることを目的とした会社です。」
ーー 素晴らしい志(こころざし)ですね。何かきっかけはあったんですか?
社「日本に留学した時に、日本の豊かさを肌で感じました。日本に来ることはバングラデシュ人にとっては特別な事です。運が良いか、恵まれないと(日本に来ることが)出来ないのです。
そういった貴重な経験、日本の良さをバングラデシュに持ち帰ることが出来ないかと考えました。
バングラデシュでは社会的弱者がほっとかれているのが現状です。日本の豊かさを見るにつけ、やはり彼らを助けたいという想いが強くなっていきました。」
ーー 現在のバングラデシュの現状はどのような感じでしょうか、例えば経済など・・・
社「問題だらけです(笑)政府発表の経済成長率は高いですが、実際は変わっていません。児童労働もあります。
大学卒業しても職に就けない。4割は未就労です。学校いけない子供もいます。
給与よりも物価が高く、仕事をしても生活が苦しいのが現状です。
我々の工場で働く人へも給与以外で生活必需品などの物資面でのサポートをしています。」
ーー そんな事もされているんですね!革製品工場は2012年に立ち上げたと言われていましたが。
社「はい、そうです。革以外にもアパレル工場、靴製造工場、検品工場を操業しています。」
ーー すごいですね・・・。その中で革の工場が最初と?
社「はい。実は何の工場を立ち上げるかよりもどうやったらこの人たちをサポートできるかで考えました。
バングラデシュでは革の原皮が手に入りやすい。革の加工は人が(作業に)入る工程が多い。そうすれば人をたくさん雇えます。」
ーー 確かに皮革や革製品はどうしても自動化できないところが多いですからね。省人化と合理化・効率化で粗利最大化を目指す、資本主義とは真逆の発想が斬新です。
社「ですので革製品をやろうと考えました。でも実はその時、私は革について全く知らなかった。素人だったんです」
ーー ええ~っ?!
社「日本の製品はどれも優れています。バングラデシュで走っている車のほとんどは日本車です。
日本人の考える、日本人が買う商品並みのものをつくらなきゃ(世界でやって)いけない。
そこで日本の革製品(創業100年以上の老舗)をつくる工場に入り、修行しました。」
ーー 素晴らしい行動力ですね。そこで革製品の工程を覚えたと?
社「はい、そうです。私がバングラデシュでやりたい事を伝えたら、そこの会社は快く協力してくれました。 今も技術指導でサポートしてもらっています。」※技術指導されている方は日本でもトップ5に入る方だとか。
ーー (革製品工場では)日本の技術力が入っているのですね。ちなみに日本以外にも欧州・欧米での取引はあるのですか?
社「はい、でも日本の取引が多いですね。欧米・欧州での取引も増えていっています。」
ーー 弊社のGUIONNET(ギオネ)の印象ってどんな感じでしょうか?ぶっちゃけたところ。」
社「製品としてデザインが良いと思います。他の商品と違ってユニークだと思います。」
ーー というと?
社「メッシュの使い方とか編み込みの仕方とかとても面白いです。」
ーー ありがとうございます。既知の商品だけど、既存にないものを提案していきたいと考えています。
顧客の持つ不安や不満を解決できるプロダクト、なにか面白いものを作り続けたいと思います。
社「わたしも面白いもの好きなのでぜひやっていきましょう。」
ーー 最後に、日本の方へ伝えたいことはありますか?
社「私がバングラデシュで革製品工場をやっているのはやはり人をサポートするためです。金持ちになりたい、儲けたいという目的ではありません。 うちの製品を買って頂けたら一人の困った人をサポートすることにつながります。ぜひ買ってください。」
ーー はは(笑)、ダイレクトなコメントありがとうございます。僕たちもちゃんと価値を伝えられるように努力します。本日はありがとうございました。
社「ありがとうございました。」